君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
安心感、嬉しさから涙がブワッと出てくる。

「てめえ!」

残っていたもう1人の男が優希に殴りかかっていく。

でも、心配するまでもない。

「う、ぐ……」

ものの数秒で終わる。

そう。優希はとっても強いんだ。

「美桜…」

「優、希ぃ!」

私は優希に抱きついた。

「ごめん、遅くなっちゃって。怖かったな、美桜」

「ほんと、遅いぃ」

「ごめんごめん」

優希は子供をあやすかのように私の背中を、泣き止むまで撫でてくれた。
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