君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
病室に入りベッドに突っぷすと、後から後から涙が出てきた。

「うッ…ふえ…」

自分が何で泣いているのかわからない。

苦しいのは優希のはずなのに。

誰もいない病室が、余計心細くさせる。

不安にさせる。

思えば、優希はずっと私のそばにいてくれた。

どんなに不安な時でも、“大丈夫だよ”って言ってくれた。

眠ることなんてできない。

眠って起きたら、優希がいなくなりそうで。

今までのことが全て夢だったと、優希のいない世界が、当たり前になってしまう。
< 99 / 120 >

この作品をシェア

pagetop