復讐狐 3〜家族ノ絆〜
「エナ!」

鋭太郎の声に振り向く2人。
そして、小さい少女…エナは、ランドセルを放り捨て、鋭太郎に向かって走ってきた。

ギュッ

「パパぁ…うっ…ひっく……ふえぇえええん…」

鋭太郎に思いっきり抱きつき、泣き出すエナ。

「よしよし…大丈夫大丈夫。」

鋭太郎はとにかくエナを落ち着かせてやろうとした。

すると、それを見ていた中学生くらいの少女が笑顔で言った。

「良かったね。お父さん見つかって。じゃあ、私はこれで。バイバイ。」

少女はエナに手を振り、鋭太郎に軽く会釈すると、踵を返した。

「バイバイ。ありがとう。メイナお姉ちゃん!」

少し落ち着いたのか、エナの顔が笑顔になった。
< 33 / 36 >

この作品をシェア

pagetop