恋は闘い~双子の想い~
私は涙をふいて、立ち上がってボーッとする頭のまま歌奈と鈴乃のところへ歩いた。
「蒼!?」
歌奈が気づいてこっちへ走ってきた。
鈴乃も歌奈の後ろから走ってくるのが見えた。
「蒼、心配したよ?何してたの?」
鈴乃が聞く。
「蒼、その顔…泣いてた?」
歌奈が聞く。
でも、私はうつむいたまま何も答えなかった。
黙りこくる私を見て歌奈と鈴乃は何も聞いてこなくなった。
「部屋で美緒が待ってくれてるから帰ろ?」
歌奈はボーッとする私の肩を抱いて、鈴乃は美緒にケータイで電話をしながら部屋まで連れて帰ってくれた。