バリトンボイスで囁いて
通勤ラッシュで混み合う車内

この時間は正直、苦痛でしかない

その苦痛に耐えること15分弱、ようやく解放される

ぞろぞろと波に飲まれて降りると、目の前でよろける
一人の女

咄嗟に支えた

「大丈夫か?」

耳を真っ赤にして無言のままだ

振り向きさえしない女

足でも挫いたのかと再度声を掛けた



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