バリトンボイスで囁いて
力づくで右手を持ち上げられる

「いっ、、、ちょっと、浩輝さん」
「わりー、俺、菜々ちゃんとふけるわ」

みんなの視線が一斉に集まる

違う、行きたくない、、、

言いたいのに震えた口からは何も出てくれない

さやかに目で訴えてもニヤニヤしてるだけ

ダメだ
自分で言わなきゃ、、、

「あ、、、」

私の言葉よりも先に動いたのは何故か弘人さん
無理矢理繋がれた手を振りほどいた

そして、私はもちろん、他のみんなも驚く一言を
形のいい唇から発した


「佑人、悪いけど俺帰るわ、こいつと」
「へ?は?え?」

呆気に取られる私とみんなをよそに弘人さんは
私の手を引いてスタスタと歩き出した

「ちょっと、兄貴!」

佑人さんの声に振り向きもせずに、、、


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