バリトンボイスで囁いて
いつもの時間、いつもの車両

そして、マリンの香りを纏った愛しい人

「おはよう。大丈夫か?」
「おはようございます。すっかりいいみたいです。
昨日はありがとうございました」
「そうか。それなら良かった」

隣へ座り、当たり前のように耳を寄せて
バリトンボイスが私の中に流れてくる

フルスピードでどんどんメーターが上がっていく

弘人さんのせいで私は常に完全燃焼

燃えるものがなくなっても、温度が下がることはない

「菜々、イブは仕事か?」
「仕事、、、です。」

あぁ、"菜々"って呼ばれる度にゾクゾクして、
全身の神経が痙攣する

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