バリトンボイスで囁いて
私は更に言葉を繋いだ

「だから、先約があるからと弘人さんに断りを
入れるか、それとも弘人さんの誘いを受けるかで
決めかねてたの、、、」

さやかは、もう一度深く溜め息を漏らすと私に
向かって一蹴した

「決まってるでしょ。行きたいと思う方に行く
せっかくのイブなんだよ?一緒にいたい人を選ぶ
なによ、その贅沢過ぎる悩み。」

え?そんなんでいいの?

「でも、、、先に約束してたのに、私がうっかり
したばっかりに、その相手に嫌な思いさせてしまう
んじゃないかと思ったりして、、さ」

「他に想う相手がいて、一緒にいても上の空で
心ここにあらずな態度とる方が余程失礼でしょ!」

さやかの言う通りかもしれない

私の悩みはあっさりと解決した。



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