バリトンボイスで囁いて
クリスマスプレゼント、、、用意出来なかった

金銭感覚が凡人な私は、セレブな弘人さんへの
プレゼントなんて思い付くのも、買うことも不可能

現実を叩きつけられて、お前では釣り合わない
って思い知らされた気がした

弘人さんを待つ間、ショッピングセンターで暇を
潰してた

そんなことしなきゃ良かった

大人しくクリニックで待ってれば良かったんだ

中央に設置されたソファに座って、買い物客を
ぼんやりと眺めていた

偶然隣に座った綺麗な女性。
大人の雰囲気が漂う、私とは正反対の人

電話をしていた

「弘人?ひどいじゃない、今夜の約束忘れて
予定入れるなんて。ねー、聞いてるの?待ってる
からちゃんと来てよ!」

同じ名前なだけだと思った

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