バリトンボイスで囁いて
妖艶を孕んだ眼差しで、、、

「これが俺の返事」
「、、、返事、ですか、、、?」
「あぁ、そうだ」
「、、、??」

小首を傾げると、弘人さんはただ微笑むだけ。

「じゃあ、乾杯」

ウィスキーの入ったグラスを傾けて、
当てる振りだけをして口に含んだ

何をしても様になる

いつだって魅了されっぱなし。

なんだかズルイ。

グラスを持つしなやかな指も、お酒を飲み込む喉元も
全部が私の感情を狂わせる


< 97 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop