たとえば君が居なくても。
明日は待ちに待ったバレンタイン。
今年こそは望にちゃんと告白する。
近所の神社に立ち寄ってお参りもしたし、お賽銭も奮発した。
高校生になってすぐ耳にしたのは色恋沙汰。
羨ましく思えた告白や恋の進展話も一時の夢で、磁石のような彼等に冷たい視線を注いでいる。
それでも私みたいに気持ちを内に秘めている奴なんかよりは良いのかもしれない。
伝える事によって今の関係に終止符を打つのを恐れてる。
『幼馴染み』
唯一の特別な関係で繋ぎとめておきたいと留まっていた。
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