忘れられないひと【完結】




「恭介………いつか言おうと思ってたんだけど………
紗也ちゃん………結婚するんだよ」


ゴンッと何かに打ち付けられたかのような衝撃が襲う
結婚?


「けっ、こん?」

「うん、会社の部長さんだって」


紗也が?
俺以外とキスをして俺以外に抱かれたのか?
そして、俺の事なんて忘れてしまうのか?
いや、もう忘れてしまったのか?


「紗也ちゃん、お前と別れてからもずっと彼氏いなかったんだよ
優紀も心配してたんだ
優紀から聞いたんだけど、同じ会社の部長さんから何度か口説かれてたみたい
紗也ちゃんは相手にしてなかったけど、一年経って前向きに考えたんだって」

「………っっ」

「恭介………紗也ちゃんさ、可愛いだろ?
お前と別れたあと、他の男からも色々あったみたい
でも、相手にしてなかったんだけど………
部長さん、だいぶ紗也ちゃんに惚れてるみたいで…………」

「もう、いいよ」


俺はもう二度と紗也を抱き締めることができないのか?
この想いを伝えることも出来ないのか?
二度と会うことすら出来ないのか?



「恭介…………お前…………」


俺の今の気持ち?


「紗也を愛してるよ」



たぶん、この先もずっと




< 17 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop