忘れられないひと【完結】




「こいつは俺の同期の山野恭介
お前、自己紹介とかしてないだろ?」

「あ、真山紗也です」


元木さんは「こいつ無愛想なくせにモテるんだよ~」なんて言いながら山野さんの肩を組んでいた


あ、仲が良いのかな?
確かに無愛想な山野さんと愛敬抜群の元木さん
静の山野さんに動の元木さんて感じかな?
しかも、見た目は真逆

何だか正反対なのに山野さんも嫌がっていない様子が微笑ましい

クスクス笑っていると



「うわー、紗也ちゃん笑ったら可愛いね」

「え?」


元木さんがそんな事、言うから恥ずかしくなる
しかも、イケメンに言われると破壊力抜群だ


恥ずかしくて俯くとまた、
「うわー、恥ずかしそうにする姿もいいねぇ~」なんて言うからいたたまれなたい

もう、可愛いなんて言われ慣れてないのに
この人、軟派だ


「優紀にこんな可愛い友達いるなら早く紹介してもらったら良かったよ」


そう言いながら「髪の毛茶色いね地毛?」と髪を撫でようとしたのか手を伸ばしてきた

少し身体を強ばらせたけど、撫でられる事は無かった

パシンとその手を叩いたのは、山野さんだった


「「え?」」


元木さんも突然の事に驚いた様子で私と声がハモった


「初対面でセクハラか」


え?セクハラ?
山野さんの低い声に元木さんは「え?え?」と戸惑いを隠せない様子






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