忘れられないひと【完結】
「さあ!存分に泣きなさい!
ただし!先に教えて?
恭介さんとどうして別れたの?
あんなに仲が良かったのに………凄くお似合いだったのに……
ニューヨークにだって着いていくのだと思ってた」
二人でコンビニでお酒を買い占めて私の家に帰った
優紀は"さ、早く話せ"と言わんばかり
私はそんな優紀の姿に少しだけ笑いながら話始めた
「恭介さんね………仕事場でも人気あったと思うの
恭介さんの事を好きな人は沢山いたと思う
その日ね、会う予定だったんだけど……
会社でニューヨーク行きが決まった恭介さんの送別会があるからって言われて
主役が居ないわけにもいかないからその日は会わないようにして翌朝から恭介さんが会いたいって言ってくれたから朝から会うことになったの」
優紀はゆっくりお酒を飲みながら聞いてくれている
一年前の出来事なのに、今でも昨日の事のように鮮明に思い出せる
「きっと、飲み会で恭介さんお酒をいっぱい勧められたんだろうね
酔っぱらった恭介さんの家に上がってそのまま朝を迎えた女性と一緒の所に………
私が合鍵で恭介さんの家に入ったの」
優紀は一瞬顔を顰める
あんな現場を見るのは出来れば二度と無いことを願う
「女性は裸で、恭介さんも見えた上半身は裸だった
一瞬で頭が真っ白になっちゃってその場から出てっちゃって」
「そりゃそうだよ!!私だってそんな現場見たら……」
「そのあと、恭介さんからの連絡にも出たくなくて無視しちゃって」
「そっか、一年前卓也から恭介さんが珍しく焦ってるって言って私に紗也の事聞いてきたりしてたなぁ、きっとその時だね」