忘れられないひと【完結】




「ほんとだよ、引かれるかもしれないけど女性を抱くなんて7年ぶりだよ
ひいた?気持ち悪い?」

「い、いえ!そんなはずありません!むしろ!あ、」

「寧ろ何?俺とのセックス良かったって思ってもらえた?」


少し意地悪な恭介さん
私の言いたいことなんて恭介さんにはお見通しなんだ
私は恥ずかしくて顔が熱くなる


「可愛いな、引かないでくれてありがとう」

「い、いえ、逆に嬉しいです、私を抱きたいって思ってもらえたんですよね?」

「良かった、そうだよ、紗也に出会わなかったら俺はあのまま枯れて死んでたかもね」


そんな筈ない
恭介さんを好きな人はたくさんいるはず


二人で笑いあって唇を重ねた
何度も優しく啄みながら「ごめん、やっぱり我慢できない」そう言いながら私の身体に唇を寄せた

甘くて、"あー、私はきっとこの人に溺れちゃう"そう確信した




愛されているとちゃんと実感できた
それほどに恭介さんとの過ごす時間は幸せだった

3年間恭介さんとの付き合いに何の疑問もなく私は甘やかされ、愛されていた


「別れましょう」

「紗也、結婚しよう、俺は紗也しかもう愛せないよ」


彼は最後まで愛を囁いてくれた
3年間、彼は私といて安心出来たのだろうか

喧嘩することもなく私のわがままばかりに付き合って彼は休めたのだろうか

3年間そんな事に気付かないでいた私は大馬鹿者だ






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