忘れられないひと【完結】
卓也さんは優紀の彼氏で恭介さんの親友
優紀は卓也さんに私の事を言わないでいてくれた
何も言ってなかったのに………
一週間、私が恭介さんに会わずにちゃんと考える時間が持てたのは優紀のおかげだ
「一週間後私も冷静になって、別れを決意してやっと連絡出来たの
久しぶりに会った恭介さんはいつもの恭介さんより少しやつれてて
その日の事は恭介さんは覚えてないみたいだった
ただ、謝ってくれて、それでも、結婚してニューヨークに着いてきて欲しいって言ってくれたの」
「やっぱり、覚えてないって言っても許せないよね?」
私は小さく首を横に振った
確かに辛かった
でも……
「優紀、恭介さんは凄く優しくて完璧で愛してくれてたと思う
だから浮気を知ったときは恭介さんもそんなことできるんだって少し安心したりもしたの」
「え?」
「それと同時に恭介さんは私に弱みなんて見せてくれないし甘えても頼ってもくれない」
「男なんてそうじゃない?しかも、年上でしょ?」
「"彼女"なら良いよ……でも、結婚して夫婦になるなら……
恭介さんはいつ休めるの?ずっと完璧なまま?」
「紗也……」
恭介さんとはそのまま別れた
彼は最後まで愛をささやいてくれた
「優紀、恭介さんは浮気なんてしてないんだよ?」
「え?」
「そのあと、半年くらい経った時かな?偶然あのときの女性に会ったの」