忘れられないひと【完結】

未来へ





「紗也~!合コンするよ!今週金曜日ね!」


そう、連絡があったのは原田部長と飲みに行った翌日

タイミング悪い

自分の気持ちに気付いて、正直になれるように背中も押してもらって
優紀にちゃんと相談しようとした時だった

優紀が自分の為にセッティングしてくれた合コンだと言うのはわかっている
参加しないとか、今更な話は無しだ

今回はちゃんと、参加して後で話をしよう
優紀のおかげで向き合う事ができたんだ



「了解、そのあと、話したいことがあるの」


勘のいい、優紀なら何となく気付いたのかもしれない
返事はなんとも優紀らしい


「OK~!いい男揃えてもらったから取り敢えず楽しもう!」


恭介さんが今どうしてるかなんて何もわからない
まだ、ニューヨークなのか日本なのか
情けないけど卓也さんを頼ることになるんだ

正直になったところで、きっと玉砕だろう

それでも、優紀にも部長にも押してもらった
前を進む為に



「紗也~!」


私の姿を見付けて手を降る優紀の姿に笑みが溢れる
いつも、この笑顔に助けられてきた


「うん、すっきりした顔してる
今日の紗也、いつもに増して綺麗だよ
きっとモテモテだねぇ~!」

「何言ってるのよ
ちゃんと卓也さんの了解もらってるの?
ほんと心配………」

「ふふ、大丈夫よ!」


何が大丈夫なんだろうか
優紀の奔放な性格は彼女の魅力でもあるけど卓也さんは大変だ


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