忘れられないひと【完結】
「私も………離れたくない………だから、一緒に………」
紗也が何を言っても今は絶対離さない
紗也の傍にいたい
がっつくと言うことを俺は紗也に嫌と言うほど思い知らされてきたけど
今日もそうだ
ただの、男で
雄の本能
「恭介さんも、一緒に、シャワー……」
手が止まった
紗也の言った言葉が信じられなくて
本当に?
「え?紗也………」
顔が熱くなるのがわかった
"一緒に、シャワー"
「恭介さん?きゃっ!」
抱き抱えて急いでシャワールームに向かった
やっぱり、なし!何て言われる前に
女性と一緒になんて初めてだ
久しぶりの紗也の裸に反応する
「俺が洗う」
そう言って、紗也の身体に手を這わせていく
1年ぶりの温もり
だんだん厭らしくなる手つきに紗也の声
我慢出来るはずない
「あ、ん………」
「紗也、ごめん………」
「え?」
キスをしながら手を這わせていく
泡だらけの身体は滑りやすく気持ちがいい
「もう、我慢できない、ここでするよ」
よく、友人達が言っていた
「風呂場って燃えるよな~」なんて
一緒に風呂に入ることになんのメリットがあるのか
俺にはさっぱりだった
でも、わかる
"燃える"と言うのがどういう意味かもわからなかったけど
いつもと違う環境と一年振りの紗也に
俺は初めて、ベッドではない場所で抱いた
燃えた