忘れられないひと【完結】




「恭介さん、急がないでください」

「紗也」

「私はこれからも傍にいるから
あの、恥ずかしいけど、これから何度でも………」

「あ、いや、あ、そうだよな…………嬉しくて
俺、年甲斐もなくがっついて
紗也、身体は大丈夫か?無理させたな」


あー、良かった
もう二度と抱けないなら犯してしまおうかと思った自分が情けない

紗也の頭を撫でると、やっぱりすり寄ってくる姿にはグッとくる
いつも、そうだった

紗也は頭を撫でられるのが好きなのかもしれない
この役目を他のやつに渡さなくて良かった



「恭介さん、ごめんなさい」

「え?」

「私………」

「ちょ、ちょっと待って!
やっぱり、付き合えないとか?
昨日何度もしつこかったから?」

「え、」


昨日は久しぶりだったのもあったが、何より紗也が目の前にいてることが嬉しくてしつこかった
それは、認める

我慢していたものが爆発した
一日に何度も………なんて紗也と付き合い始めて初めて知ったくらいだ

だけど、いつも足らなかった
もう一度、と何度も思いながら理性で我慢した

でも、昨日は箍が外れたと言うか……


「いや、あの………」

「待って!何も言わないで!
紗也!」

「は、はい」


ここで、やっぱり付き合えませんなんて聞けない
俺の気持ちもまだ言い足りない



「結婚しよう!いや、結婚してください!」

「え、けっこん?」


今、急に思った訳じゃない
初めて出会った時から俺はずっと紗也との未来を考えていた





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