柏木くんにはヒミツがある。
「褒め言葉、どうもありがとうねー」
開いた口が塞がらない。
どうしよう、すごくビックリしてる。
だって、だって、触れただけで相手の考えていることが分かるなんて……。
「すごいね!!なんで分かっちゃうの!?柏木くんだけの能力?カッコいいなぁ!」
そっか、だから他人に触れられたくなかったんだね?
触っちゃったら知りたくもないこと知っちゃうもんね?
そっか、そういうことだったんだぁ!
「すごいなぁ……!」
柏木くんの指を見ながら、目をキラキラと輝かせる私に、
彼は目を見開いてから可笑しそうに吹き出した。
「はは、三木は絶対大丈夫だと思ってたけど、想像の遥か上だ」
「え?なに?どういうこと?」
「いやいや、世の中には"これ"を気味悪がる人の方が多いってことですよー」