柏木くんにはヒミツがある。
一瞬悲しそうな顔をする柏木くんに、私は首を傾げる。
気味悪がる?どうして?
「なんで?普通に考えてすごくない?柏木くんは特別な人ってことでしょう?」
もし私がそんな力持ってたら、きっとみんなに自慢しちゃうな。
だってカッコいいじゃん。
私だけの特別な能力って感じで。
そう言うと、柏木くんは目を細めた。
眩しい光に当てられたみたいに。
「すごいのは三木のほうだ」
何かを呟いたみたいだけど、小さな声だったからよく聞こえなかった。
「……まぁ、総じて言うとさ、三木は下向いてるより笑ってる顔の方がいいよ」
「え?」
「何か悩みとかあったんだろ?元気なかったし」
「……すごーい……」