柏木くんにはヒミツがある。
私も横目に彼らを見た。
水道のホースを1人に向けてニヤニヤしている。
あ、罰ゲームってそういうことか。
なんのゲームをしたのかは分からないけど、確かにこの寒い時に冷たい水はかぶりたくないよね。
「かりなー!早くー!」
「あっ、はーい!」
みっちゃんの声に慌てて足を進めた、その時。
───バシャッ。
「……えっ」
前髪から滴り落ちる水滴。
太ももに張り付くスカート。
吹いた風は、心なしかさっきよりも冷たくて。
あ、そうか、水、かぶっちゃったんだ、私。
「ばっか、お前なに避けてんだよ!!」
「いや普通に避けるだろ!嫌じゃん!風邪引きたくねーし!!」