柏木くんにはヒミツがある。
「柏木くんて、潔癖症なの?」
「えー?うーん、まぁそんな感じー」
のんびりとした口調でそう答える柏木くんに、納得する。
そっか、だから他人に触られるのも嫌なのか。
「でも、私達友達じゃん。友達でもやっぱり嫌なものなの?」
「友達って……三木が一方的に俺に喋りかけてるだけだろ」
そう言って、柏木くんはスマホで漫画を読み始めた。
「ひどい!じゃあ友達だと思ったことは一度もないわけ?」
「少なくとも俺はないね。ごめんねー」
その言葉にムッとする私。
ひどいなぁ。
確かに柏木くんから話しかけてくれることなんて滅多にないけどさぁ……。
「柏木くん」
「はいはい」
「親睦を深めてみよう」
「はは、しょうがないなー」