柏木くんにはヒミツがある。
そういう意味で、柏木くんに聞いたら、
「いや、今三木のこと触ってないし、分かんないよ?」
こういう言葉が返ってきたから安心した。
「なに考えてるの?ヤラシイこと?」
「ばっ、ちがうっ!そんなわけないでしょーが!」
「怪しいなー。三木さんはムッツリですか?」
「ねぇ怒るよ柏木くん!!?」
クスクス、と可笑しそうに笑う柏木くんの笑い声が隣から聞こえる。
あぁ、もう、もう、もう。
ギュッと、彼のブレザーをつかむ手に力を込めた。
好きだ、柏木くん。
ブレザーをかけてくれたのも、おの男の子達を怒ってくれたのも、
保健室まで一緒に来てくれるのも。
全部私のためなんだ、なんて考えたらニヤニヤとドキドキが止まらない。