柏木くんにはヒミツがある。


私のことを大切な友達だと言った君に、
私はこんなにもドキドキしてしまっている。

困った。
困ったなぁ、本当に。



「あれ、先生いない。どっか掃除しに行ってんのかな」



私の気持ちは、一体どこにやればいいんだろう。



《香里奈!柏木が一緒だからなにも心配してないけど、一応聞いとく。大丈夫!?》



保健室に着いたと同時に、ブブッと、みっちゃんからのメッセージを受け取ったスマホが鳴った。



《あの男子達、私が責任持って担任のところ連れてったからね!》



みっちゃんに"ありがとう"とメッセージを送って、スマホをしまう。
防水携帯で良かった。うん。



「三木、ジャージは?体育の。ないの?」

「あったら真っ先に着替えてるよー……持って帰っちゃったよー」

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