柏木くんにはヒミツがある。
もう、どうにでもなれ。
柏木くんも、私のことを考えて考えて、考えすぎて頭パンクしちゃえばいいんだ。
「わっ、え!えっ、」
私は柏木くんの手を取って、渾身の力を入れて引き寄せた。
いきなりのことに驚いたのか、彼はよろけて、そのまま私のところへと来た。
腰に手を回してぎゅっと抱きしめると、ビクッと柏木くんの肩が揺れた。
「……ごめん、私、」
「み、みき」
「友達のままは、嫌なの」
柏木くんの唾を飲み込む音が微かにした。
それから私は、バッと柏木くんから離れてブレザーを押し付けた。
「これっ、ありがとうございました!!私帰る!じゃあね!!!」