柏木くんにはヒミツがある。
意を決してガラッと扉を開ける。
柏木くんの席へと視線を移すと、やっぱり彼はいた。
……みっちゃんは、いないか。
みっちゃんがいればHR始まるまで一緒にいれたのに。
「あ、寝てる……」
自分の席に座ろうとした時にチラリと見たところ、柏木くんは机に伏せて寝てるみたいだった。
うぅ、寝顔、ちょっとしか見えないけどカッコいい。
カッコいいよー、柏木くんー。
「やっぱり好きなんだよー……」
大きな背中も、細くて長い指も、笑った顔も、話し方も、全部好き。
だからこそ悲しいんだよ。
だって振られるって分かってるんだもん。
私は大切な友達だって、はっきり君の口から聞いたんだもん。