ブライダルベールの花籠を君に【短編集】
4
星を数えていた。~竜也side〜
夜中、真っ暗闇のなか外に出て。
とても寒いのか、マフラーを巻いている。
マフラーとは別に、首にかかっている重さのあるもの。
墨のように暗い空に、赤、青、白…。様々な色をした宝石達が散りばめられている。
『1つ、2つ、3つ、4つ……』
《死んだ人は、星になる》
もしかしたら俺は、昔早くに別れた父の面影を探しているのかもしれない。
《今見ている光は、過去のもの。もう既にその光はなくなっているかもしれない。》
『10、11、12…、』
人間は覚えては忘れるという1連の動作を繰り返す、言わば、忘却の生き物だ。
何か記憶関連に秀でていない限り、いずれ忘れてしまう。
首元に下がっている“それ”。
カメラを、俺は手に取り空の1場面を切り取った。
人は何かの面影を必死に、忘れないように、留めておく。
それでも、忘れそうになって探すんだ。
____亡きものの影を、思い続ける。
夜中、真っ暗闇のなか外に出て。
とても寒いのか、マフラーを巻いている。
マフラーとは別に、首にかかっている重さのあるもの。
墨のように暗い空に、赤、青、白…。様々な色をした宝石達が散りばめられている。
『1つ、2つ、3つ、4つ……』
《死んだ人は、星になる》
もしかしたら俺は、昔早くに別れた父の面影を探しているのかもしれない。
《今見ている光は、過去のもの。もう既にその光はなくなっているかもしれない。》
『10、11、12…、』
人間は覚えては忘れるという1連の動作を繰り返す、言わば、忘却の生き物だ。
何か記憶関連に秀でていない限り、いずれ忘れてしまう。
首元に下がっている“それ”。
カメラを、俺は手に取り空の1場面を切り取った。
人は何かの面影を必死に、忘れないように、留めておく。
それでも、忘れそうになって探すんだ。
____亡きものの影を、思い続ける。