俺、男装少女だから。
『大丈夫、大丈夫だよ。』



「那智。」



俺がどうなろうとお前らには迷惑掛けないんだから。



『時間だ、行こー?』



スクールバックを肩に掛けて、カエデの背中を押して廊下に出る。



リン、まだ部屋だよな。



扉を開けた音もしなかったし、部屋の前を通った気配もしなかった。



『リン〜?』



階段を降りる前にリンの部屋の扉に向けてそう声を上げれば程なくして、リンが出てきた。



1階には既にコウキとトオヤが揃っていた。



「おまたせ、じゃあ行こうか。」



「はい。
・・・那智くんバッチありますか?」



バッチ?
なんのことだか分からなくて首を傾げる。



「これです、これ!」



ネクタイに付けられた、桜の形をしたバッチを指した、。



あぁそれか。
確か、胸ポケットに入れた気がする。



『あるよ〜。』
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