俺、男装少女だから。
部屋の中を一通り見て回っていた小野寺が口元の笑みを浮かべながら彼の右側にあったソファに座った。



「ちっげーよ!」



どうやらそうらしい。
赤面で否定するから効果がない。



外見に似合わず可愛いとこあんじゃん。



『いーんじゃない?
ルール決めて、個人のこと話し合って。
きょーは親睦か〜い!』



慣れてきた薄い笑みを浮かべて、ソファに飛び乗った。



「え、なんか意外ですね。」



いつの間にやら小野寺の隣に座っていた鴻上。




『ん?なにが〜??』



「いや。だって・・・。」



「視聴覚室でも帰りも1歩後ろにいた。」



何故か言い淀んでしまった鴻上をフォローするように矢野が言い放った。



『あ〜。』



何を言うわけでもなく、抜けた笑みで流した。




「ちなみにどんなこと決めたの?」



「食事とか洗濯とか掃除とかを当番制にするか否かとか。」
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