俺、男装少女だから。
『そこからの記憶はあいまい。
気づいたときには俺は病院のベットの上。
母親は死んだ。
・・・俺が早く救急車でもなんでも呼べば助かったかもしれない。
医者はそういった。』



目覚めた俺に一番にそう言ってきたんだ。



「そんな酷な。
だってまだ10歳で、目の前で・・・そんなことがあって冷静になんて無理な話ですよ。」



「母親が亡くなってから、お前はどうなったんだよ。」



『海外に飛ばされた。
母親の一件で息子である俺が明るみに出たからな。』



“次期社長はお前だ、那智。
でも、娘として出てもらう”



本当にバカな男だ。
自分のためなら他がどうなってもいい。



『息子は母親を殺した奴だと世間は思ってる。
ならば世間に公表していない娘を。』



良い話だろう、今まで男が頭首だった。
女が初頭首なんて公開されれば、注目の的。



『カエデは気づいてたでしょ?
美都の時期頭首。』
< 144 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop