俺、男装少女だから。
置き手紙を机に戻して、おにぎりには手をつけずに自分の部屋に向かう。



タンスからバスタオルを取り出して、2階にある風呂場でシャワーを浴びる。



浴び終わって寝ようと思った頃にはもう6時で寝るのを断念して、机の引き出しに入ったファイルを開いてボーッと眺める。



バタバタと足音と「ちょっと待とうか」なんて言う楓の慌てた声が騒がしく部屋の前から聞こえてきた。



「んだよ、楓。」



「いやいや、那智が寝てたらどうするの?
女だよ?分かる??女。」



「昨日理解した!
だから、んだよ?」



朝から言い合いを続ける2人。
出来れば、人の部屋の前でやらないで欲しい。
こんだけうるさければ、もし寝ていたのしても起きてると思うんだけど。



暫くずっと、言い合っている2人の声に凛が起きたのか隣の部屋のドアが開く音がした。



「うるさい。」



「あ、凛。ごめんね。
おはよう。」
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