俺、男装少女だから。
「お、凛。やっとお目覚めか!」



やっと、ってまだ6時30分だろ。



「はよ、何やってんの?」



「那智を起こすって紅綺がうるさくって。」



「うるさくねぇだろう?
つーか、那智が、起きてこねぇのが悪ぃだろ!」



十分うるさいと思うし、起きてるけどな。



「那智なら起きてる。」



何ともない感じで言い張った凛に2人は素っ頓狂な声を出した。



「那智、起きてる。」



もう1度そういった凛は、きっと中にいる俺に出て来いって言っているんだろう。



はぁ、しょうがないか。



『おは〜。』



「おはよ。」



「お、きてる。」



「おはよう。
起きてたんだね、那智。」



『朝から人の部屋の前で揉めないでくれる?
まったくよ〜。』



「お前が起きてこねぇのが悪ぃだろ!」



「紅綺、那智は寝てない。」



「・・・部屋から出てこねぇのが、いけねぇだろ!」
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