俺、男装少女だから。
「和食か!?」



「はい!
白米に味噌汁、だし巻き玉子と煮物を用意してみました!!」



「よっしゃ!」



ガッツポーズをしてコウキは満面の笑みで階段を駆け下りて行った。



そんなにハマってんのか、和食に。



「煮物ってそんな短時間でできるの?」



「昨日の夜に作って置いてました。
紅綺くんが喜ぶかなぁって思って。」



えへへと照れたように笑ったトオヤも、コウキのあとを追って下に行った。



「あっ、那智くん。
おにぎり、迷惑でしたか?」



途中、思い出したように振り返ったトオヤは不安そうに俺を瞳に入れた。



『・・・ん?おにぎり??』



あくまで、俺は何も知らない。
と演じるように首を傾げる。



「帰ってきてから、リビング寄りませんでした?」



『え、うん。そのまま自分の部屋行っちゃった。
何かあった?』



「あ、いえ。・・・そうでしたか。」
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