俺、男装少女だから。
4人は足を進めないでその場に止まっている。



アクセサリーでも昼食でもなんでもいいけどなんで動かないんだよ。



「那智くん、そっちじゃなくてこっちですよ。」



・・・そういうの、もう少し早く言って欲しかった。



わざとらしく咳払いをしてから踵を返す。



クスクスと遠慮するように笑うカエデトオヤに反してコウキは豪快に笑った。



「イタリアンでいい?」



コクリと頷けば、じゃあ行こうかとカエデを先頭に歩き出す。



1階のレストラン街は、専門店街よりも人が少ない。



「ここでいいかな?」



落ち着いた雰囲気のイタリアン料理のお店。
誰も反対しなかったから、そのままお店に入って店員に席まで案内して貰う。



メニューを広げて、ランチやその他のメニューに目を通すけど、これと言って食べたいものはない。



「決まった?」



「僕はAランチにします。」



「俺はB。」
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