俺、男装少女だから。
バイト
『126円のお返しです。
・・・ありがとうございましたー。』
コーヒーの香りが揺蕩うカフェ。
「那智くん、時間じゃない?」
『あ、そ〜ですね。
お先に失礼しまーす。』
オーナーに挨拶をしてからバックヤードに入りエプロンを脱ぐ。
ロッカーに突っ込んだ黒のパーカーを羽織って、ズボンのポッケトに財布を入れる。
まだ少しだけ時間に余裕があるから、従業員の休憩用に準備されている冷蔵庫から水を取り出して紙コップに注いで椅子に座る。
今日は客が多かった。
ピンっとしたスーツをしたサラリーマンが多く来店していた。
時間を確認するために机に伏せて置いたスマホを手に取ると50件近くの通知がきている。
ストーカーかよ。
差出人はコウキ。
たまにカエデとトオヤ。
何通か通知を開くと内容はだいたい同じ。
"飯食え。
何時に帰ってくるんだ。"
一通だけリンからも来ていた。
リンからのメール。
内容は検討もつかない。
首をかしげながらタップしてみると開かれた画面に表示されたのは
"紅綺、うるさい。"
その一言だった。
・・・ありがとうございましたー。』
コーヒーの香りが揺蕩うカフェ。
「那智くん、時間じゃない?」
『あ、そ〜ですね。
お先に失礼しまーす。』
オーナーに挨拶をしてからバックヤードに入りエプロンを脱ぐ。
ロッカーに突っ込んだ黒のパーカーを羽織って、ズボンのポッケトに財布を入れる。
まだ少しだけ時間に余裕があるから、従業員の休憩用に準備されている冷蔵庫から水を取り出して紙コップに注いで椅子に座る。
今日は客が多かった。
ピンっとしたスーツをしたサラリーマンが多く来店していた。
時間を確認するために机に伏せて置いたスマホを手に取ると50件近くの通知がきている。
ストーカーかよ。
差出人はコウキ。
たまにカエデとトオヤ。
何通か通知を開くと内容はだいたい同じ。
"飯食え。
何時に帰ってくるんだ。"
一通だけリンからも来ていた。
リンからのメール。
内容は検討もつかない。
首をかしげながらタップしてみると開かれた画面に表示されたのは
"紅綺、うるさい。"
その一言だった。