俺、男装少女だから。

そして、俺はある情報が欲しくてここで働いている。
まぁ、情報と金が。と言った方が正しいかもしれないけど。



「そろそろ開けんぞ。」



『はーい。』



矢崎は扉を開けて、CLOSEの札をOPENに変える。
俺はそれを横目にもう一度リストに目を通す。



『クソ。』



今日はこないか。
俺が望んでいるのは学園上層部の情報。
なかなか思うようには情報は入ってこない。



OPEN時すぐに2組の予約が入っている。



1組お得意さんである大手企業の社長。
もう1組は新規か。



チリンチリン



『いらっしゃいませ。
立野さん、お久しぶりですね。』



「久しぶりだね。那智くん。」



ヒラヒラと軽く手を振って気さくに笑ったのは、上品なスーツを見に纏った40代の男性。



『最近はお忙しかったんですか？』



週一でここに通っていた立野だが最近は訪れてなかった。
最後に見たのは3週間前だったかな。