俺、男装少女だから。
ひょっこり立野の後ろから顔を出したのは立野のお付きの白井。



『お久しぶりです、白井さん。
コレ今日買い物行って買ったんですよ。』



買った、と言うよりも買ってもらっただが。
説明するのも面倒だしいいか。



「へ〜、那智くんもそういうの興味持つんだね。」



『あぁ、まぁ・・・。』



「立野さんお久しぶりです。
おっ、なんだ白井も来たのか!」



予約席の準備し終えた矢崎は白井の姿を見つけて嬉しそうに笑う。



最近知った話だけど、矢崎と白井は高校の同級生だったそうだ。
3年間クラスが同じでいつも2人でいたとか。



楽しそうにぺちゃくちゃと話す2人。
俺はチラリと立野の様子を伺う。



「ん?どうかしたかな??」



『あ、いえ。』



バレたか。



『・・・奥さんどうですか?』



「あぁ、今は落ち着いてる。
けどいつ何が起きてもおかしくない状態だって。」
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