俺、男装少女だから。
白井と矢崎はまだ話をしていた。
店のオーナーなら話してねぇで仕事しろよ。



出かけた言葉をなんとか呑んで笑顔を作る。



『いらっしゃいませ。』



酒など飲まなさそうな真面目な感じの2人の女性。



『予約はされていますでしょうか?』



「あ、いえ。
予約してないと入れませんか?」



『いえ。
予約されていなくても大丈夫です。
・・・こちらへどうぞ。』



カウンターへと先導する。



予約した奴らは店の奥にある個室に案内することになっている。



まぁいろんな世界の上に立つ奴らが集う場所だ。
密会に使われる場でもあるそ、酒に呑まれて一般人には流してはいけない情報をくだにしてしまってはまずい。
何より、テレビに出るような権力の強いヤツと一般人が一緒の場にいたら騒ぎになりかねない。



だから、入口から誰が入って来たか分からないように設計されているし個室の客と一般客が鉢合わせしないよう工夫してある。
個室の場所は入口から左に、フロアは右側に進むようになってる。
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