俺、男装少女だから。
お前も、情報吐け。



「・・・那智くんよりちょっとだけ年上。
それ以上は言わないよ。
那智くんだって正確には行ってないからね。」



それだけ言って池田はキッチンに戻って行った。



俺より少し年上って・・・そりゃそうだろ。
あんな人が俺より年下に見えたら、異常だろう。



本当に食えない人。



はぁっと深くため息を吐けば、ビクリと肩を上げる矢崎。



「ごめんなさい。
本当にわざとじゃないんですよ?」




『矢崎さん。』



「はい、なんでしょうか?」



これはコレでなんか腹立つな。



『敬語うざい。』



「え、辛辣。」



店内に備え付けられている時計に目を向ける。
開店してから1時間弱。



『そろそろ、人来るな。』



「・・・そうだな。」



裏の世界が動き出す。
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