叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
処置室からナースステーション横の部屋に移された美咲は、高熱でうなされていた。
普段は胃腸が原因で熱が出ることがたまにあっても、薬ですぐに引いていたが、ウイルス性の風邪からなのか熱はなかなか下がらないでいた。
『辛そうだな。一晩で下がるといいけどな。』
田中が眠っている美咲の顔をみながら、藤堂に話す。
『部屋に行きたがりませんでしたね。何かあったのかな。』
あんなに退院したがっていた美咲を、何が美咲を心変わりさせたのか…藤堂は気になっていた。
『なんとなく、心当たりはないでもないけど…。』
田中がつぶやいた。