叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい

それから数日が経ち、集中治療室から今までの一般病棟に戻ってきた私は、今日から新薬の治験を行うこととなった。





藤堂先生からの丁寧な説明を受け、いざ新薬が目の前に出される……。





「………………。」






なんじゃこれ。






目の前に現れた薬は私の想像していた薬の量を遥かに超えるものであった。






今まで食前食後に飲む薬はあっても3種類。





それなのに一体これはなんなんでしょうか?





下手したら普段食べている食事の量と変わらないかもしれない。






『これが食前、これが食後……寝る前……。



それから、今まで以上に検査をしていって、結果を確認しながら治療をしていくからな。』






「………………。」






あまりにも驚きが隠せず、何も言葉が出てこない。





『分かった?』





「…………。」






『分かったか!?』





「…………うん。」





『もう一度説明しようか?』






「分かったから。」





正直なところ、この薬の量に何をいつ飲むのか理解できないでいるが、それよりもこの薬に圧倒されて言葉が出ない……。




『これをしばらく続けて、どう反応するのか検査しながら様子を見るからな。』






コクリと頷いて返事をした。






はぁ、一体私はこれからどうなるのか……。





こんなに飲みきれるのか不安でならなかった。
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