叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい

…………まずい。





あの薬の量は吐き気をもよおす。
あんなにあるってことを知らなかったから、簡単な治療だと思ってた。





私に残された唯一の治療法なのに。
これで治さないと、一生こんな生活を繰り返さないといけない。






高校だったまともに行けていない。
たぶん……1年生は無理だ……。
ほとんど行ってないから。





せっかく友達もできて楽しい一年になるところだったのに。




…………全ては私がいけないんだけど。






どうしても楽しいことを進んで選んでしまうせいで、後先考えないことが多い。





でも、後先考えてたら何もできない。
高校生活は今しかできないんだし……。






なんて考えていると、部屋の前でだれかの足音が止まった気がした。




カーテン越しでも音は丸聞こえで、そのすぐ後に聞く声は田中先生だ。





『入るよー。』
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