叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
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生まれつき腸の長さが人より短い上に、機能が低下していた。
それでも成長と共に長くなってきて。食べる物は普通に固いものでも味の濃いものでも、何でも食べることができ、機能は回復していた。
いつだったか…。
小学生の頃になると、給食を早く食べ終えることができないで、一人残っていつまでも食べていた。
最初の頃は良かった。けど担任の先生が代わると、そうはいかなくて早く食べないと叱られた。だから慌てて食べるようになり、少しずつ胃のあたりに違和感を覚えた。
だけどその時私は、これから何が起こるかなんて、思ってもみなかった。ただ違和感があるとだけ…。
そんなある日、友達の家でおやつにクッキーが出てきてそれを口にした。
そしていつものような違和感が胃に現れた。
『ねぇ、美咲ちゃん?』
振り返ると友達のお父さんが私に近づく。
『お腹、痛いんじゃない?』
え?
『ほら、クッキー食べた時、お腹をさすってるし。
少し横になってもらえるかな?』
友達のお父さんが言うように、たしかにお腹に手を当てていた。無意識だった。
『美咲っ、大丈夫だよ。うちのパパね、お医者さんだから。』
クッキーを頬張りながら、友達が言う。
お医者さん…
普通、医者と聞いたら心を許して診てもらうかもしれないけど、その時は過去にある私の医者に対する怖いイメージが先に蘇り、横になることを躊躇した。
『大丈夫だよ。』
大きな手に背中をさすられ、優しい声に安心して気持ちを許して横になった。
『お腹を押すよ。痛かったら言ってね。』
と言われるとすぐにお腹を押される。
「いった!痛い!!!」
違和感のある場所を押されて体に激痛が走る。
その反応をみた友達のお父さんは、すぐに私をこの病院に連れてきた。
それから、私は固いものも味の濃いものも食べることができなくなってしまった。
と、言っても食べさせてもらえないだけで、食べようと思えば食べられるのだけど。ただ、あの時の痛みを忘れられないでいた。だから怖くて食べれないのだけど。
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