叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい

『どう?調子は。』






熱があることも全て聞いてるのだろう。





点滴を確認して、私の額に手をやり、さりげなく手首で脈を測る。





そんな様子を見つめているだけで、返事をすることも忘れてしまうほど、今の私は弱っている。






『辛そうだね…。水分はとれてる?』






喉が痛いし、動くこともできないから飲めていないと、説明せず首を左右に振る。




『飲む?』





と聞かれ今は無理だと、もう一度首を
振る。





『喉の痛みがとれたら少しずつ飲むんだよ。』





そう言いながら部屋を去るのかと思いきや……





ちゃっかり椅子に座ってこちらを見ている。





いやいや、同室の子の回診よりも長くいませんか?





そんな疑問を口にはできず、黙っている。





あ、そう言えば。





「と……うど……う先生は、ど……しておや……すみ、です……か?」






何度も痛む喉を抑えながら聞く。





『君と一緒。』





え!?




「か……ぜ?」






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