叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
「……た、退院したら、寂しいかも……。」
『なんで?』
「……あ、えない……から。」
『ん?』
「先生にっ!
会えないから。」
………………
言ってしまった。
しばらくの間があって、先生の顔を見ないでいたら、頭の上から声がした。
『……俺だって一緒だから。』
ボソっと言われて頭を上げようとしたら、先生のあったかい手が頭をなでる。
『だから、早く完治させて、
大人になれよ。』
今までにあまり聞くことのない先生の真面目な声に、素直に従って下を向いたままでいた。
先生がどんな顔してるのか見たかったけど、自分の顔を見られるのは恥ずかしいから。
それからすぐに先生は部屋を出て行った。