叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
痛い痛い……と何度も感じ、次第に額から汗が垂れ落ちてきたころに、






シャッ









とカーテンが開き、見慣れない看護師さんがやってきた。






『あ、目が覚めたのね。痛かったね。すぐに先生を呼ぶからね。』






と持ってきた点滴を変えながら私の手を握る。







「ぁ、あの……。」






なぜ私がこうなったのかは予想できていたけど、今の状況が読み込めず、なかなか出てこない言葉で聞こうとしてみる。





「喋らなくていいわよ。あなたはね、昨日の夕方に倒れて、そこから緊急手術をしたのよ。手術は無事に成功したからね。
もうちょっと回復するまでは、ここのICUにいましょうね。」






と声をかけられる。






そっか…ここはICUか。






少しして知らない先生がやってきた。







『痛みがあるよね?薬を入れるから。また眠くなると思うから、ゆっくり寝てね。




次起きた時にもまた痛むだろうから、そしたらここにあるナースコールを押してね。』







そう言いながら私の手元にナースコールを置いてくれる。






梶田先生は、怒って帰ってしまったのか…。パパもきっと家にいるのかな……。





急に一人ではじめてのICUを経験して、心細くなってきた。





いつも病室に一人でいるのとは、また全然違った。
< 24 / 170 >

この作品をシェア

pagetop