叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
ハッ!?
と目を覚ますと、梶田先生はもういない。時計を見ると…、だいぶ眠っていたことに気づいた。
梶田先生の説明は全く覚えていない。
あの手の温もりしか。
また触って欲しい……。
と、ど変態な私。
結局のところ、梶田先生が怒ってたかどうかも分からない。
シャッ
とカーテンが開くとパパが入ってきた。
『美咲?』
「パパ……。」
パパを見て安心して、涙が出てくる。でもパパはすごく不安そうな顔。こんな顔のパパはあの時以来だ。
私が友達の家でお腹が痛くなって、病院に運ばれて。それから駆けつけてきてくれた時のパパの顔に。
『何やってんだ……。先生や看護師さんから逃げて…。』
あぁ、やっぱり話は伝わっていたのね。
しょうがないか……。
『でも、良かった。無事で……。』
見るとパパも涙を流している。
こんなパパ、初めて……。
涙だけは見たことなかったから…。
本当にごめんなさい。こんなことをして……。
そして、
こんな弱い体に生まれてきてしまって、ごめんなさい。