叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
『どう?体調の方は。』
ん?
白衣に、
ロングヘアの
女医さん?
『もう授業は終わったわよ。』
は!?
保健室だった!白いベッドに白い天井を見て、つい長い入院生活が身についているせいか、白衣の人を見るだけでお医者さんと勘違いしてしまった。
「あ、すいません!」
慌てて起き上がり、すぐにベッドを空けなきゃと思い、布団をはいでベッドから降りようとすると、
『危ないっ!』
すぐに何が起きたのか分からなかった。保健医の先生に支えられて少ししてから、立ち上がる際にフラついてベッドから落ちそうになったことに気づいた。
「す、すいません。」
『大丈夫?ゆっくり起きたらいいのよ。慌てないで。』
言われるように体を起こして再びベッドに腰掛ける。
はぁ、危なかった。
と一呼吸ついて背筋を伸ばす。
『そういえばさっき、講義の終わった講師の藤堂先生がここに顔出されて、あなたのことを気にしてたわよ。
でも寝てると言ったら、『体調が悪いようなら病院に来るように』と言って帰って行かれたけど、知り合い?』
藤堂先生…。
「知り合いというか、主治医です…。」
『あら、そうだったのね。』
驚いた顔の先生。
『いい先生ね。』
そう言われ、自分が褒められているような気がして顔が緩んだ。
『あら、笑えるのね。』
と言った先生も顔を緩ませた。