叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
それから授業も終わり、帰宅……。
『笑えるのね』
さっき保健医の先生に言われた言葉。私ってあまり笑ってないのかな……。
普段から笑ってないってことなのかな。学校では笑ってない?ってこと?
頬をさすりながら、歩道に乗り上げている車のミラーで確認する。いつもと変わらないと思うけど、この表情が笑ってないってことなんだろうな。
なんて考えながら歩き、そしてフッと気づくとお腹をさする自分がいる。
やっぱりなんか違和感あるけど……。
気づかないでいたい……。
『みーさーきー!』
ん?前から聞き覚えのある声。
!?
ありさ!
『みさきっ!』
50メートルほど先から勢いよく走り、気づくと目の前にやってきたのは、私の幼い頃からの友達のありさ。
『久しぶりっ!どうしてた?』
そう、ありさは高校が違う。
このありさというのが、前に話したお父さんが医者で、そのお父さんに私が幼い頃にお腹の痛みを訴えて、病院送りになった時の……。
そのありさがお父さんと二人で商店街を歩いていたようだ。本当に仲のいいというより、ありさに優しい素敵なパパ。なぜか同じ様に私にも優しくしてくれるのだけど。
『みさきちゃん、久しぶり!
体調はどう?』
と聞かれて慌ててお腹に当てていた手をどかす。